年金に月6万円を足した話——元職人が3年でたどり着いた、唯一の答え

障害年金だけで暮らしている人の世帯収入の中央値は、年間約193万円。月換算で約16万円だ。

老齢年金だけの単身者も、似たような数字になる。そして50代・60代の健常者も、定年が近づくにつれて同じ壁にぶつかる。「年金だけでは、足りない」——これは障害者だけの問題じゃない。

俺は脊髄損傷で廃業した元足場職人だ。その俺が3年間で、配当収入を月6万円超まで育てた。身体が動かなくても、お金は働いてくれる。その方法を、正直に書く。


目次

なぜ「月6万円」が俺にとってリアルな目標だったのか

SBI証券の画面を見ながら、俺はそう思った。

特別な感動はなかった。ただ、静かに「ここまで来たか」という感覚だけがあった。

足場職人だった頃の俺には、「働かずにお金が入る」という発想がそもそもなかった。稼ぐのは現場に出ること。身体を動かすことが収入だと信じていた。

脊髄損傷で廃業してから、その前提は根底から崩れた。

「動けなくなったら、俺は何で食っていくんだ」——これが投資を始めた本当の理由だ。

俺の場合、障害年金(1級)の受給額は月に約9〜10万円(子の加算を除く)。それだけでは生活できない。家賃・光熱費・食費・医療費……障害者でも生活コストはかかる。

だから俺は「年金に足せる収入が月5〜6万円あれば、最低限の自立ができる」と計算した。

これは老齢年金だけで暮らしている人も、定年を控えた50代・60代も、同じ計算ができるはずだ。「年金にプラス5〜6万円」——この金額が、生活の質をがらりと変える。

アルバイトも経験した。でも脊髄損傷後の俺の身体では、長時間立つことも重い荷物を持つことも無理だ。就労支援A型で月5〜7万円を稼ぐことはできても、身体への負担と収入が見合わない。

そこで行き着いたのが高配当株投資による配当収入だった。元手さえ作れれば、身体が動かなくても収入が生まれる。「年金だけでは足りない」と感じているすべての人にとって、これほど設計として正しい収入源はないと俺は思っている。


正直に言う。スタートは131万円だった

2021年末の俺の投資口座の残高は約131万円だった。

その131万円で買える高配当株は、単元未満株で30社に分散投資し1社につき約5万円分の株数ほど購入。当時の配当利回りで計算すると、年間配当は約4万円。月に換算すると3,300円だ。

「月3,300円か……」と思った。でも俺はそこから始めた。ゼロじゃない。3,300円は3,300円だ。目標の月6万円まで、そこから18倍に育てる必要があった。

高配当株で月6万円の配当を得るには、単純計算でどれくらいの元本が必要か。配当利回りを年4%とすると——

年間72万円 ÷ 4% = 元本1,800万円が必要だ。

この数字を見て「無理だ」と思った人、正直に手を挙げてほしい。俺も思った。でも逆に考えると、月3万円でいいなら元本は900万円。月1万円なら300万円だ。「月6万円」は最終目標であって、スタートラインじゃない。

廃業後、俺は初めて自分の「全財産」を紙に書き出した。出てきたのが驚きだった。20年間、現場で稼いでは口座に突っ込んで忘れていたお金が、あちこちに眠っていた。使っていない定期預金、事業用口座の残金、「いつか使う」と思ったまま動かしていなかった普通預金。

全部かき集めて投資口座に移したら、131万円が788万円になった。株が上がったわけじゃない。ただ「自分のお金を、ちゃんと見た」だけだ。

あなたにも、きっと「見ていないお金」がある。


月6万円超えを実現した「3つの原則」

① 高配当・増配・安定の三拍子を基準にした

俺が銘柄を選ぶ基準はシンプルだ。配当利回り3.5〜5%、10年以上の増配実績、業績が安定している業種(銀行・保険・商社・インフラ)。

「高配当株はギャンブルじゃない。事業の利益を株主に分配する仕組みに乗るだけだ」——これが俺の基本認識だ。

② 配当を再投資し続けた

受け取った配当金は生活費に使わず、すべて再投資した。月に2〜3万円の配当が入ってきた初期の頃から、それをコツコツ同じ銘柄に再投資してきた。これが複利の力だ。

③「売らない」を徹底した

俺は「配当をもらうために買っている」ので、株価が下がっても売らない。むしろ下がった時は「同じ配当額の株が安く買える」と考えて追加購入した。

「含み損でも配当は入ってくる。俺が欲しいのは価格じゃなく、キャッシュフローだ」——この原則を守り続けた。


現在のポートフォリオ(2026年春・評価額)

3つの原則を守り続けた結果、今の投資口座はこうなっている。

区分主な銘柄評価額割合
国内高配当株三菱UFJ・三井住友FG・東京海上HD・オリックス・丸紅など約35銘柄約2,820万円約67%
米国高配当ETFVYM・VIG・SPYD約980万円約23%
米国株式(成長枠)VTI(投資信託)約420万円約10%
合計約4,220万円100%

VTIは配当目的ではなく、値上がり益を狙った成長枠として保有している。配当の主力はあくまで国内高配当株と米国高配当ETFだ。

2021年末の131万円が、4年で4,220万円になった。

※俺の資産全体には投資口座以外のものも含まれるが、この記事では「投資口座で作った配当収入」の話に絞っている。


2025年の配当実績:年間75万3,769円

区分金額(税引前)
国内株配当約47万9,918円
海外ETF配当約27万3,851円
合計約75万3,769円

月平均に直すと約62,800円。ようやく「月6万円超え」を達成した。

特定口座(源泉徴収あり)で運用しているので、確定申告は不要。現行制度では配当収入は障害年金の審査対象外とされているが、制度変更の可能性もあるため、最新情報は年金機構に確認してほしい。

障害年金(月約9万円)と合わせると、月の収入は約15万円になった。最低限だが、「働かなくても生活が成立する基盤」が整った瞬間だった。


これは障害者だけの話じゃない

障害年金受給者の新規認定のうち、約7割は精神障害・知的障害だ。身体障害の俺とは障害の種類が違う。でも「働けない・収入が少ない・将来が不安」という構造は同じだ。

そして老齢年金だけで暮らす単身の高齢者も、50代・60代で定年を控えた人も、「年金だけでは足りない」という現実は共通している。

配当投資は特定の誰かのものじゃない。「年金に何かを足したい」と思っているすべての人に使える仕組みだ。


今日からできること:月6万円配当への最短ルート

ステップ1:まず「自分の資産の全貌」を把握する

多くの人は「眠っているお金」を持っている。定期預金・財形・タンス預金・使っていない口座の残金……これを全部リストアップしろ。

ステップ2:SBI証券で特定口座を開く

特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告不要。

ステップ3:まず100万円分だけ高配当株を買う

100万円を配当利回り4%の銘柄に入れれば、年間4万円(月約3,300円)の配当が生まれる。最初は小さくていい。「配当が振り込まれる」という体験をすることが重要だ。

ステップ4:配当は再投資する(最低3年間。でも使っても良い)

受け取った配当金を生活費に使い始めると、複利の力が消える。最初の3年間は「再投資専用」と決めて、とにかく元本を育てることに集中してほしい。

しかし配当金は使うためのお金でもある。心を豊かにする場面では使っても良い。

再投資はあくまでも最短で配当金を増やすことを狙うならの話だ。


まとめ:「足りない年金」に、配当収入を足せ

身体が動かなくなっても、お金は働いてくれる。これが高配当投資の本質だ。

俺が月6万円の配当を達成するまでに4年かかった。失敗もあった。焦りもあった。「こんな額じゃ意味ない」と思った時期もある。

でも今、年金と合わせて月15万円の収入基盤があり、投資口座の資産は4,000万円を超えた。6メートルから落ちて廃業した男が、ここまで来た。

障害者でも、年金生活者でも、定年を控えた50代でも——「足りない年金に何かを足す」という課題は同じだ。

「動けなくなっても、積み上げてきたものは消えない」——これが投資が教えてくれた一番大切なことだ。


※この記事はゴリ先輩の実体験に基づく情報です。投資にはリスクが伴います。障害年金・老齢年金の制度詳細は、日本年金機構または社会保険労務士にご確認ください。

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この記事を書いた人

元・建設業の個人事業主。現在は障害年金・労災年金・就業不能保険を活用しながら、配当金を軸に“無理のない自立生活”を目指す50代男性です。
配当投資、住宅ローン、保険の見直しなど、障害と向き合う中で学んだ「お金と生き方」のリアルを発信しています。

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