障害年金が、また増えた。2026年度(令和8年度)の障害基礎年金は、1級が月8万8260円、2級が月7万608円になると発表された。
前年度(2025年度)と比べると、1級で+1,640円、2級で+1,310円の引き上げだ。引き上げ率は約1.9%。
「ああ、少し増えるんだ」と思った人も多いだろう。でも俺は正直に言う。これじゃ、足りない。
そして、これは障害者だけの話じゃない。
建設業で個人事業主や一人親方として働いてきた人間が、老齢年金をもらう年齢になったとき、受け取る金額の構造はほとんど同じだ。国民年金しかない。厚生年金の上乗せもない。
俺が障害を機に気づいたことは、あなたにも関係がある。
俺の状況を正直に話す
俺は元建設業の個人事業主で、現在は障害者だ。
障害年金は1級を受給している。さらに子の加算もある。子どもが3人いるからだ。それに加えて労災年金2級と就業不能保険も受け取っている。傍から見れば「恵まれた障害者」に映るかもしれない。
それでも俺は、「このままでは足りない」と思った。
なぜか。子の加算は、子どもが18歳になると順番に消えていく。三人いれば、数年かけてじわじわと収入が減っていく。制度は永遠じゃない。インフレが続けば、「今は足りている」が「10年後も足りている」にはならない。
そして、ここが本題だ。
建設業で個人事業主をやってきた人間が65歳で老齢年金をもらうとき、月に受け取れる国民年金(老齢基礎年金)は、2026年度で満額でも月約6万8,000円だ。障害年金1級の俺でさえ「足りない」と感じているのに、その水準で老後を乗り越えようとしている人間がどれだけいるか。
構造が同じなら、答えも同じだ。
障害年金の「本当の問題」3つ
① 金額が生活費に追いつかない
| 年金の種類 | 月額(2026年度) | 年額換算 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金1級 | 88,260円 | 約105.9万円 |
| 障害基礎年金2級 | 70,608円 | 約84.7万円 |
| 老齢基礎年金(満額) | 約68,000円 | 約81.6万円 |
| 単身者の平均消費支出 | 約160,000円〜 | 約192万円〜 |
総務省の家計調査によると、単身者の平均月間消費支出は約16〜17万円。1級でも子の加算なしで単純計算すると月約7万円の赤字になる。2級や老齢基礎年金だけならさらに厳しい。
数字は正直だ。これだけで生活できる人間は、ほとんどいない。
② 審査が通らないケースがある
2024年度、精神障害の不支給割合が前年度(6.4%)のほぼ2倍にあたる12.1%に急増し、問題となった。年金機構内部での審査プロセスの不透明さも指摘され、2025年度中に不支給事案の再点検・個別通知が進められている。精神障害は「日常生活の困難さ」が数値化しにくいため、審査結果にブレが出やすい。
申請して終わりじゃない。審査内容に納得できなければ、社労士に相談して審査請求をする手もある。
③ 年金は「固定収入」だが、インフレには弱い
1.9%の引き上げは、聞こえは良い。でも2024〜2026年の物価上昇率はそれを上回っている局面もあった。年金が上がっても、物価の上昇に追いつかなければ実質的な購買力は落ちる。
「増えた」という数字に安心してはいけない。
じゃあどうするか。俺がやったこと
俺自身、2022年末は投資資産が131万円しかなかった。障害年金と、できる範囲の仕事で細々と生きていた。でも「このままでは終わる」と思って、高配当株への投資を本格化させた。
| 時期 | 資産総額(概算) |
|---|---|
| 2022年末 | 約131万円 |
| 2023年末 | 約1,341万円 |
| 2024年末 | 約2,726万円 |
| 2025年末 | 約3,758万円 |
| 2026年春 | 約4,169万円 |
3年ちょっとで131万円が4,000万円を超えた。これは「才能」じゃない。「仕組み」を作ったからだ。
なぜ急に増えたのか——「眠っていた現金」を動かしたから
「131万円から3年で4,000万円」と聞くと、「株で爆益を出したんだろう」と思う人もいるかもしれない。でも実態は少し違う。
俺には、長年かけて積み上げてきた現金貯蓄があった。元職人として稼いでいた時期に、使わずに貯め込んでいたお金だ。廃業後も、それに手をつけずに持ち続けていた。ただ銀行に眠らせたまま、増えることもなく、減ることもなく。
その「眠っていた現金」を、一気に投資に回したのが転換点だった。
建設業をやっていた人間なら分かると思う。稼いでいた時期に、口座に積み上げたまま何もしていない現金が、どこかにあるんじゃないか。
銀行に寝かせておいても、今の低金利ではほとんど増えない。だったら高配当株に回して、毎年配当をもらいながら再投資する仕組みを作ろう——そう決断した。
2022年末の131万円は「投資に回していた分」の残高だ。そこから2023年にかけて、手元の現金の大部分を段階的に投資口座に移していった。だから2023年の春から秋にかけて、資産が急激に増えているように見える。「株で10倍にした」わけではなく、「現金を投資に変換した」ことで、金融資産として可視化されたという側面が大きい。
もちろんその後は、配当の再投資と値上がり益が加わって、本当の意味での複利成長が始まった。でも最初のジャンプは、「決断して動いた」ことによるものだ。
今日からできること
▶ 年金・給付金をきちんと取りに行く(障害者の方向け)
1. 障害年金の受給資格を確認する
加入していた年金制度(国民年金・厚生年金)、初診日、保険料の納付要件の3点が基本。わからなければ年金事務所か社労士に無料相談できる。
2. 「生活者支援給付金」を確認する
障害年金をもらっていて、かつ前年の所得が一定額以下の場合、「障害年金生活者支援給付金」が年金に上乗せされる。2026年度は1級で月6,638円、2級で月5,620円。自動支給ではなく申請が必要なので、知らないともらい損ねる。年金事務所か市区町村の窓口で確認を。
3. 障害者手帳があれば、使える制度をまとめて見直す
公共交通機関の運賃割引・所得税や住民税の障害者控除・NHK受信料の免除など、複数の制度が使える。申請しないと適用されないものが多いので、まとめて確認するだけで月数千〜数万円単位で支出が減ることもある。
▶ 国民年金しかない俺たちが、お金を働かせる(全員向け)
4. 眠っている現金を「働かせる」ことを考える
NISAの成長投資枠を使えば、年間240万円まで非課税で投資できる。全部を一気に動かす必要はない。でも「いつかやろう」と思い続けている間に、インフレが静かにお金を削っていく。
これは障害者だけの話じゃない。建設業で個人事業主・一人親方をやってきた人間も、厚生年金のない国民年金だけの構造は同じだ。やることも同じだ。
まとめ:年金は「スタートライン」に過ぎない
年金は「守り」。投資は「攻め」。両方あって、初めて人生が変わる。
これは障害者だけの話じゃない。国民年金しか持っていない元職人、個人事業主、一人親方——俺たちは全員、同じ土俵に立っている。気づいたのが早いか遅いかの違いだけだ。
障害を持ちながらでも、お金の勉強をして、少しずつ資産を積み上げることはできる。俺がそれを証明してきた。このブログでは、俺の失敗談も成功談も、全部さらけ出して書いていく。「障害があっても、経済的に自立したい」という人に、少しでも役に立てれば嬉しい。
📖 俺のこれまでの全記録を読みたい人へ
元職人→廃業→障害→どん底→投資で4,000万円——
この軌跡を一本のストーリーとしてまとめた
「それでも俺は生きている ― ヘタな仮設屋の、笑えるけど刺さる30年 ―」をnoteで公開中です。
→ note: hetagorilla

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