はじめに|障害者となった今、住宅ローン一括返済を見送った理由

働けなくなった私は、ある時「住宅ローンを一括で返すべきか?」という選択に直面しました。
当時、手元には約2,000万円の現金があり、ローン残高の一部を一括返済することも可能でした。
ただ、それでも私は「返さない」という選択をしました。
理由は、単なる「金利の損得」だけではなく、生活の安定・教育資金・インフレ対策・そして障害を負って働けなくなった自分にとって、現金の流動性が何より重要だったからです。
ちなみに──
我が家の住宅ローンは「固定金利」です。
この固定金利を選んだとき、当時いろんな人から「珍しいね」とか「変動じゃないの?」とからかわれたことを今でも覚えています(笑)。
実際、当時は変動金利が主流で、固定金利を選ぶ人はかなり少数派でした。でも、あのとき笑われても自分で選んだ“固定”が、今の不安定な生活において「将来の見通しを持てる安心」につながっています。
もし変動金利で将来の金利上昇リスクがあったら、おそらく一括返済を選んでいたと思います。
そのくらい、「金利の種類」というのも、後から効いてくる要素なんですよね。
この記事では、そんな“返さない選択”がどうして我が家にとって最適だったのかを、実体験をもとに正直にお話ししたいと思います。
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我が家の住宅ローンの条件
- 融資額:4,200万円(35年固定金利ローン)
- 総支払額:4,884万6,200円
- 金利条件:
- 最初の10年間:年0.73%
- 10年以降:年1.03%
- 月々の支払い額:
- 初期10年:113,348円
- 以降:117,530円
- 現在:返済開始から9年6ヶ月経過
- 現在までの支払い総額:約1,292万円
- 元金返済:約1,036万円
- 利息支払:約256万円
住宅ローンの返済方式|元利均等返済とは?
我が家のローンは「元利均等返済」です。これは毎月の支払い額が一定になる仕組みで、多くの方が採用している方式です。
初期のうちは利息の割合が大きく、返済が進むにつれて元金の割合が増えていきます。実際、9年半で支払った1,292万円のうち、およそ8割が元金、2割が利息でした。
「利息を減らすために一括返済した方が得」と思われがちですが、考え方次第で「利息負担が意外と少ない」と思われる人も多いと思います。
一括返済を見送った3つの理由

理由①|流動性を最優先にしたかった
障害を負ってから、私は「今すぐ使えるお金があることの安心感」を何よりも大切にしています。
医療費、介護費、教育費。これらが一度にやってくることは十分にありえます。
一括返済をしてしまえば、そうした事態に柔軟に対応できる力を失ってしまう──それが何より怖かったのです。
今の私は自分で「収入を得る力」が小さいため、「守る力」を発揮することが命綱です。
理由②|これから教育費が本格化するから
3人の子どもたちは現在、中学3年生と中学1年生の双子。これから高校・大学と、教育費はピークを迎えます。
我が家では以下のように備えを分散しています:
- 学資保険(払込済:780万円)
- 高配当株による配当収入(年間:約90万円)
一括返済して教育費に困るくらいなら、**「少しでも残しながら増やす」**選択が我が家には合っていました。
理由③|インフレ対策と税制メリット
現在の私は対象外ですが、住宅ローン控除(年末時点の住宅ローン残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除できる制度)は、私に所得があればまだ受けれる恩恵です。
また、今後インフレが進行すれば、固定金利での借入は実質的に「得」になる可能性もあります。
つまり、「ローンがある=損」ではなく、**「他に回した方が効率がいい時期もある」**ということです。
今のところ「成功だった」と思うが、未来は不確定
現在、配当収入は年間90万円を超え、家計の支えになりつつあります。
もし株価が大きく下落していたら、逆の感情を持っていたかもしれません。
でも少なくとも今、**「住宅ローンを急いで返さなかったことで、家計も気持ちも安定している」**と実感しています。
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今、一括返済と悩んでいるあなたへ|3つの問いかけ
私は専門家ではありませんが、自分の体験からこう考えるようになりました。
- 一括返済後、突発的な支出に対応できる現金が残りますか?
- 住宅ローン控除やインフレ耐性などの**“目に見えないメリット”を見逃していませんか?**
- 「ローンがあること=不安」と決めつけていませんか?
まとめ|「正解」ではなく「納得」を選ぶ

住宅ローンの返済戦略に、絶対的な正解はありません。
でも、「自分の状況を正直に見つめて、納得のいく判断をする」ことは誰にでもできます。
このブログは、「これが正解です」と言いたいのではありません。
返す選択も、返さない選択も、どちらにも“その人なりの理由”があります。
大切なのは、他人の価値観ではなく、自分と家族の状況を見つめて、「納得できる判断」をすることだと思うのです。
私は、障害を負ってもなお「生き方を選択できる力は残っている」と信じて、
今も配当を積み上げ、子どもたちの未来に備えながら生きています。
この経験が、どこかで迷っている誰かの背中を、少しでもそっと押せるものになっていれば──それだけで、このブログの意味はあると思っています。
この記事が、同じように悩む方のヒントになれば嬉しいです。
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