── 無知のまま障害後に加入した「外貨建て保険」。その後悔と今の視点。
はじめに|障害を負ったあとに「老後が不安で」入った保険の話
障害を負い、働けなくなった直後──私は不安と混乱の中で老後をどう過ごすかばかりを考えていました。生活が成り立つのか、家族を支えられるのか、自分にできることは何か。
そのとき、以前から付き合いのあった保険担当者の方に声をかけられたのです。
「外貨建て終身保険に今入っておけば、老後の備えになりますよ」
その言葉にすがるように、私は1200万円という大きなお金を一括で保険に預ける決断をしました。当時はまったく内容を理解していませんでした。ただ、「動けない今、代わりに色々な手続きをしてくれた」「妻の不安にも寄り添ってくれた」その誠実さに救われ、つい保険に申し込んでしまったのです。
ちなみにこの保険は「私自身の保障」ではなく、「私の妻に対する死亡保障」のための保険でした。自分が障害を負い、家族を守る手段を必死に探していた中で「せめてもの安心を」という思いから契約したものでした。
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結論から言えば、後悔しています──そして、いまも悩んでいます

この外貨建て保険は、「老後の安心」を謳って販売されました。
ですが、私自身は内容もリスクもよく理解しないまま契約していました。
- 解約返戻率の低さ
- ドル建てであること
- 為替リスクがあること
- 長期保有しないと元本割れの可能性があること
──すべて、加入後に初めて知ったことです。
正直に言えば、「無知だったこと」こそが最大の問題でした。
そして今も、この保険を「解約すべきか」「老後の備えとして持ち続けるべきか」、ずっと悩み続けています。
損失覚悟で手放すか、我慢して継続するか……決断しきれない自分に、もどかしささえ感じています。
なぜこの保険に入ってしまったのか?
当時の私には収入の柱として、障害年金・労災年金・就業不能保険がありました。
ただ、そのうちの就業不能保険は12年で終了する見込みであり、その先の生活に対する不安が常に心にありました。収入を補う手段として、投資も考えてはいましたが、株の知識がまったくなかった私は大きな金額をリスクに晒すことができませんでした。
だから「確実に返ってくる」という言葉に安心を求めてしまったのです。リスクを取りたくなかった私ですが為替のリスクを背負わされていることには全く気づかずに・・・
今になって思えば、投資と保険の“違い”もよく分かっていませんでした。
保険は「安心を買う」もの。投資は「リスクを取って増やす」もの。そう思っていましたが、改めて理解を深めていくと、この保険に関してはリスクだけ背負わされて、リターンは少ないように感じました。
この違いを正しく理解していれば、もう少し冷静に選択できたのではないか──そんな思いが今も残ります。
保険担当者の行動には感謝している

ここで誤解してほしくないのは、保険担当者が悪意を持って勧めてきたわけではないということ。
障害直後、動けなかった私に代わって各種の書類手続きや相談をしてくれたのは本当にありがたいことでした。妻の精神的負担も軽減され、その部分には今でも感謝しています。
ただ、「助けてもらったこと」と「正しい選択ができたかどうか」は別の話。
人としての信頼と、金融商品の妥当性は、切り分けて考える必要がある。
この経験を通じて、私はそう実感しました。
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保険に入る前に考えておくべき4つの視点
この経験を通じて私が学んだことを、4つにまとめました。
- 保険の中身は「自分で理解」することが必須
- 外貨建て・終身保険=安全とは限らない。為替リスクを伴う
- 信頼できる人がいても、最終判断は「自分の責任」
- 保険と投資は、目的も性質も「別もの」として考える
特に「外貨建て」や「終身型」という言葉に安心してしまう方は要注意です。
長期保有しても、為替やインフレにより「思っていたほど戻らない」ケースも多くあります。
今の私の考え|配当金という選択肢
現在の私は、インフレリスクや老後の生活設計を踏まえ、
「自分で育てる収入源」として、株式の配当金を重視
するようになりました。
保険や年金収入だけでは、生活の質を守るのが難しい。
だからこそ「リスクと向き合いながら収入をつくる」という投資の考え方に、少しずつシフトしてきました。
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もし今、誰かに「家族の備えを考えている」と相談されたら──
- まずは自分の支出と資産を把握する
- 公的制度(年金や保障)のカバー範囲を知る
- 保険 or 投資、それぞれの役割と性質を比較する
- 決断は「感情」ではなく「理解」によって行う
──この4つを大切にしてほしいと、私は強く思います。
まとめ|「後悔」と「迷い」を、誰かのヒントに
今でも私は、この保険をどうすべきか悩んでいます。
「手放した方がいい」と思う日もあれば、「いまさら損してまで…」と足が止まる日もある。
でも、**その葛藤自体が「私自身の一次情報」**であり、きっと誰かにとってのヒントになると信じています。
「なんとなく安心そうだから」
「担当者が親切だから」
──その気持ちは、私にも痛いほど分かります。
でも、“未来の自分が納得できる選択か?”という問いは、あとからではなく、最初に考えるべき問いなのです。
あなたの選択が、後悔のないものでありますように。
この記事が、そのための一助になればうれしいです。
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